アリゾナ見聞録 (其ノ二)

アメリカのスーパーマーケット
今回はアメリカのスーパーの話をしようと思う。というのは、先月から半年住んだ学内の寮から近くのアパートに引っ越したからだ。自炊が禁止されていた学寮でまずい食堂の飯ばかり食っていたので、外に住めば自然に自分で料理がしたくなり、自動的にスーパーが身近な存在になるという三段論法である。
アメリカのスーパーは巨大である。もし徒歩で端から端まで一回りすれば優に10分くらいかかるのではないかと思う。アパートから学校まで車で10分ほどだが、その途中に2つ、そのサイズのスーパーが24時間営業で開いている。大人が乗れるような大きなカートが常備されており、子ども連れの人はそのカートに肉や野菜やシャンプーなんかと一緒に小さな子どもを2人くらい乗せて売り場を回っている。今日は夫婦で4人乗せて回っている人を見た。新記録である。
売り場にも変なものがいろいろあって楽しい。例えば、卵の売り場に牛乳パックみたいなものがおいてある。牛乳ではなく、卵の絵が書いてあり、「コレステロールゼロ」とか書いてある。これは卵を溶いたもの(?)で、熱したフライパンにパックをきゅっと開いて中の液体を落とせば、オムレツが焼けるという寸法だ。使っているのを見たことはあるが、ちょっと恐くて買った事はまだない。
それから、缶詰のクッキー。とはいっても、クッキーはまだ焼けていないもの。そう、粉とミルクとその他をすでに混ぜてあって生地になっているものが缶詰になっているのだ。缶を開けて、さくさくっと切って、オーブンにならべて数十分で焼き立てのクッキーができるという便利な代物だ。
ミルクといえば、こっちのミルクは固形乳脂肪分が%表示で0%、1%、2%・・・と分れており、購入者が選択できる。日本で売っている普通のミルクはWhole Milkと表示されている。肥満が社会問題になっているので、Fatという言葉にやたらに敏感に反応する人が多いのだろうと思う。そういえば、食品のパッケージの裏面に書いてある栄養成分表にも、通常のカロリー表示の他にCalories from Fatと表示が必ずある。そういうのを気にする消費者と、あんなにたくさんあるハンバーガー系のファーストフードの顧客層は全く別物なんだろうか、と疑問に思っている。
例えば日本人が同じ米でもブランドにこだわり、様々な米が売り場に並んでいるように、こちらでやたら売場面積を占めているものもいくつかある。一つはトルティーヤ・チップス。メキシコ料理屋で食前にサルサソースをつけて食べるポテトチップみたいなものといったら分かってもらえるだろうか。見たところさほど変わりのないチップスが、テイストとメーカーの違いで延々と並んでいる。それにつけるサルサソースも然り。それからピクルス。日本でも漬物売り場とかって、バラエティーに富んでいるが、こっちではピクルスがそれに該当するのでは。あとはサンドイッチ用のパン。僕個人の感覚からいえば、どれもヤマザキパン程度のおいしさでどれも変わらないのだが、とにかく様々な種類が存在する。
外国に旅行に行ったときには本屋とスーパーはかかさず行くようにしているのだが、国情が垣間見えて面白いもんですね。

伊藤 健(いとうけん)
在米邦人
Ken_Ito@global.t-bird.edu

※「マルチカルチュアルってのは疲れるねぇ〜」は第二号より「アリゾナ見聞録」に改題しました。


其ノ一