東京での生活はあっけなく幕切れとなり、浮き草のごとく漂うわたしは押し流されて前橋に漂着したところです。なにぶん、うっかり就職活動に落ちこぼれてのボウフラ暮らし。今のところ、ここで根を張る気もなくて、ぷかりぷかりと漂うつもりだからたちが悪い。周りの心配をよそにいたってお気楽、ごめんなさい。
でも、読者の皆様にもこの浮き草人間を心配していただくのは申し訳ないので、少しだけ解説をさせていただきます。浮き草暮らしと言ったって、これは心持ちの話なんです。できる限りフットワークを軽ろやかに、アンテナ立てて面白いことをキャッチしようと思っています。すべては将来のための肥やしづくりなわけで、わたしの人生設計の範囲でございます。
そんなわけで、本題に入ろうと思います。
今回の「前橋まちノート」は、前橋の街の観察日記みたいなものです。思いつくままにつづっていくことになりますが、「コミュニケーションの仕掛け」とか「まちづくりの動き」、「まちの資源」などが中心になると思います。「まちの資源」というのは、言いかえればまちの良いところや大切な人、慣わし、組織、言い伝えなどです。例えば「上毛カルタ」。群馬県人はこのカルタである種のアイデンティティを形成していて、群馬県人同士「上毛カルタ」をすることで、ほんわかできてしまうって寸法です。こうしたものに意識を向けるだけでも、ちょっと豊かな生活になるんです。
ただ今回は久しぶりの前橋なので、具体的な話は次回からになります。大学生活の4年間のブランクは大きいですね。新しい橋ができたり、新しい店ができたりして風景も変化しています。生まれ育ったまちですが、何となくぎこちない感じがします。少し経てば、まちの空気が体に馴染んでくるのでしょう。どんな出会いがあるのでしょう。これからが楽しみです。